舞台設定

よう、あんたたち、よく来たな。

この街にいる奴らときたら、毎日葬式みたいな生気のない顔していやがるもんだから、

真夜中の墓の街──「ミッドナイトグレイヴタウン」なんて名前が付いたんだ。

なんでみんながそんな顔をしているのかっていうと……

そりゃ、間違いない。みんな"ゴースト"のせいさ!

暗~い道を歩いてると、こんな風に声をかけられる。

「──あなたは、わたしのこと、覚えてる?」

覚えがあったって、絶対に答えちゃだめだぜ。

なんてったって、お前さんの大事な"名前"を食われちまうんだから!

名前を食われちまうとさあ大変、

いろんな人から忘れられて、誰にも名前を呼ばれなくなって──果ては、ゴーストの仲間入り。

毎日お腹をすかせて、当てもなくフヨフヨ彷徨うことになっちまう!

そんなことはイヤだって?